同時通訳の費用相場はいくら?半日3万〜9万円の内訳と安く抑える方法【2026年版】
人間の同時通訳の費用は、通訳会社の公開料金でみると通訳者1名あたり半日でおよそ3万〜9万円、1日で5万〜13万円が目安です。同時通訳は交代のために2名以上を手配するのが原則なので、実際の総額はこの2倍以上になり、機材費や交通費も別途かかります。
正確性が最優先の会議では専門の通訳が必要ですが、小規模な勉強会やミートアップなら、会議アプリの翻訳機能やAI音声翻訳サービスで費用を大きく抑えられます。以下で相場の内訳と選択肢を整理します。
同時通訳の費用相場はいくらか
まず基準になるのが、料金を公開している通訳会社の価格表です。多くの会社は通訳者を難易度で数段階のクラスに分け、半日と1日で料金を提示しています。ここでは2026年7月時点で公開されている料金を引用します。
サイマル・インターナショナルの公開料金では、半日(3時間以内)が最上位クラスで¥88,000、標準的なAクラスで¥74,000、Bクラスで¥57,000、Gクラスで¥34,000(いずれも税抜・通訳者1名あたり)です。1日ではAクラスが¥110,000、Bクラスが¥85,000となっています[1]。
通訳マッチングを扱うOCiETeの相場解説でも、専門知識を要する高難度の派遣通訳は半日6.5万〜7万円台から、1日9万〜10万円台からと説明されています[2]。会社ごとに幅はありますが、同時通訳者1名の技術料はおおむね次の水準に収まります。
| 区分 | 半日(3時間前後) | 1日(拘束8時間前後) |
|---|---|---|
| 専門分野(最上位クラス) | 7万〜9万円前後〜 | 10万〜13万円前後〜 |
| 会議・ビジネス(標準クラス) | 5万〜7万円台 | 8万〜11万円台 |
| 一般的な内容(下位クラス) | 3万〜4万円台 | 5万〜7万円台 |
出典: サイマル・インターナショナル公開料金[1]、OCiETe相場解説[2]。金額は税抜・通訳者1名あたりの目安で、会社や分野により変動します。
見落としがちなコスト
表示された1名分の料金だけで見積もると、実際の請求額と大きくずれます。同時通訳には、料金表の数字に上乗せされる費用がいくつもあります。
通訳者は2名以上が原則
同時通訳は集中力の限界から15〜20分ほどで交代しながら進めるため、原則として2名を手配します。サイマル・インターナショナルの規定でも、同時通訳は3時間以内で2名、3時間を超える場合は3〜4名と明記されています[1]。つまり半日でも料金表の金額が2倍になるのが基本です。
機材費が別途かかる
同時通訳では、防音の通訳ブース、送信機・ミキサーなどのコントロールユニット、参加者に配る受信機とイヤホンといった機材が必要になり、音響オペレーターの人件費も加わります[3]。会場の規模や受信機の台数で費用は変わり、通訳者の技術料とは別枠での加算になります。機材の内訳と費用感は同時通訳の機材一式と費用の記事で詳しく整理しています。
拘束時間と交通費のルール
1時間だけの依頼でも、2時間以上の拘束になれば半日料金が適用されるのが一般的です。正午をまたぐ場合に1日料金となる会社もあります。加えて交通費や、遠方なら宿泊費も請求されます。短時間のイベントほど、実働に対する割高感が出やすい点に注意が必要です。1時間の講演を例にした具体的な試算は1時間の講演に通訳を頼むといくらかかるかで解説しています。
総額のイメージ: 標準クラスの同時通訳を半日依頼すると、通訳者2名で12万〜15万円前後、これに機材費や交通費が加わります。1日規模なら数十万円に達することも珍しくありません。正確性が求められる大きな会議では妥当な投資ですが、数十人の勉強会には過大になりがちです。
同時通訳・逐次通訳・ウィスパリングの料金の違い
「通訳 相場」を調べるときにまず押さえたいのが、通訳の方式によって総額の傾向が変わる点です。ここまで見てきた料金表は同時通訳を前提にしていますが、逐次通訳やウィスパリングでは必要な人数や機材が変わるため、同じイベントでも総額に差が出ます。以下は方式ごとの特徴を定性的に整理したものです。具体的な金額は方式・分野・拘束時間で変動するため、通訳会社の見積もりで確認してください。
| 方式 | 進め方 | 人数・機材の目安 | 総額の傾向 |
|---|---|---|---|
| 同時通訳 | 話者の発言と並行してほぼ同時に訳す | 交代のため2名以上、ブースや受信機など機材が必要 | 人数と機材が重なり最も高くなりやすい |
| 逐次通訳 | 話者が区切って話し、その合間に訳す | 1名で対応できる場面が多く、機材は最小限 | 人数と機材が抑えられ総額は下がりやすい |
| ウィスパリング | 少人数の聞き手のそばで小声で同時に訳す | ブースが不要な場合もあるが負荷は同時通訳に準ずる | 技術料は同時通訳に準じる水準になりやすい |
逐次通訳は通訳者が1名で務められることが多く、大がかりな機材も不要なため、同じ時間でも同時通訳より総額を抑えやすい方式です。ただし話者が区切って話し、その合間に訳す進め方のため、同じ内容でも進行時間が長くなる点は考慮が必要です。ウィスパリングは通訳者が聞き手のそばで小声で同時に訳す方式で、ブースや受信機が不要な場合もありますが、同時に訳し続ける負荷は同時通訳と変わらないため、技術料は同時通訳に準じる水準になりやすいと考えておくとよいでしょう[2]。イベントの人数や進行に合った方式を選ぶことが、相場のなかで費用をおさえる第一歩になります。
費用を抑える選択肢を比較する
費用を下げる方向性は大きく3つあります。人間の同時通訳を使い続けたうえで手配を工夫する、オンライン会議アプリの翻訳機能を使う、そしてAI音声翻訳サービスを使う方法です。それぞれ向き不向きがはっきり分かれます。
| 手段 | 費用感 | 手配・準備 | 精度・専門性 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 人間の同時通訳 | 数十万円〜(2名+機材) | 事前手配と資料共有が必要 | 専門分野に強く最も正確 | 正確性が重要な会議・医療・法律 |
| 会議アプリの翻訳機能 | 月額課金が中心 | 全員が同じ会議に参加 | 会議用途では実用的 | オンライン・ハイブリッド会議 |
| AI音声翻訳サービス | 数千円台から(短時間課金) | 端末とQRコードで開始 | 日常的な講演には実用的 | 小規模な対面イベント |
会議アプリの翻訳機能は、参加者全員がそのアプリに入って同じURLでつながる前提です。オンライン会議なら自然ですが、会場に集まった参加者全員をアプリに入れて操作してもらう運用は負担が大きくなります。一方でAI音声翻訳サービスは、話者側の端末で翻訳を配信し、参加者はスマホで受け取る形が主流です。短時間から使える料金体系のものが多く、数十人規模のイベントとは相性が良い選択肢です。
小規模イベントならVoxFlightという選択肢
VoxFlightは、小規模な対面イベント向けのライブ翻訳サービスです。主催者がiPhoneでセッションを開始し、会場にQRコードを表示します。参加者はスマホのブラウザでQRコードを読み取り、翻訳字幕を見ながら翻訳音声を聞けます。参加者側のアプリインストールは不要です。
料金は正式提供前の予定価格として公開されています。有料購入の提供開始後、セッションパスの購入完了時にApp Storeで決済されます。購入済みパスは翻訳開始時に消費されます。料金表では1言語パスと2言語パスを比較しています。
| プラン | 1言語 | 2言語 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 15分・50人 | ¥980 | ¥1,780 | 最大50人 |
| 60分・50人 | ¥3,980 | ¥6,980 | 最大50人 |
| 60分・100人 | ¥5,980 | ¥9,980 | 最大100人 |
翻訳先が2言語の場合は、同じ時間・参加上限の完全な2言語パスをApp Storeで1回購入します。1言語パス購入後の追加課金ではなく、購入前に合計金額が表示されます。
VoxFlightは現在、正式提供に向けて準備中です。上記は正式提供時の予定価格です。
ただし、向いていない場面もあります。医療や法律のように誤りが許されない通訳、専任チームを組む大規模カンファレンス、複数人が同時に話し合うパネル討論には向きません。こうした場面では、費用がかかっても人間の同時通訳を選ぶのが適切です。数十人規模の講演やセミナーで、コストを理由に多言語対応をあきらめていた主催者にとって、現実的な代替になります。
まとめ
同時通訳の費用は、通訳者1名の料金表だけでは判断できません。2名体制と機材費、拘束時間のルールが重なり、小規模イベントでは総額が実働に対して割高になりがちです。正確性が最優先なら人間の同時通訳が最適ですが、勉強会やミートアップのような場では、AI音声翻訳サービスで費用を抑える選択肢を検討する価値があります。
よくある質問
同時通訳を1時間だけ依頼するといくらかかりますか?
実働1時間でも、2時間以上の拘束になれば半日料金が適用されるのが一般的です。同時通訳は交代のため2名を手配するのが原則なので、料金表の半日料金のおよそ2倍が技術料の目安になります。標準クラスなら2名で12万〜15万円前後で、これに機材費や交通費が別途加わります。短時間のイベントほど実働に対する割高感が出やすい点に注意が必要です。詳しくは1時間の講演に通訳を頼むといくらかかるかで解説しています。
同時通訳者はなぜ2名必要なのですか?
同時通訳は集中力の限界から15〜20分ほどで交代しながら進めるため、原則として2名を手配します。サイマル・インターナショナルの規定でも同時通訳は3時間以内で2名、3時間を超える場合は3〜4名と明記されています[1]。つまり半日でも料金表の金額が2倍になるのが基本です。
通訳機材のレンタル費用はいくらですか?
同時通訳では防音の通訳ブース、送信機やミキサーなどのコントロールユニット、参加者に配る受信機とイヤホンが必要で、音響オペレーターの人件費も加わります[3]。費用は会場の規模や受信機の台数で変わり、通訳者の技術料とは別枠で加算されます。具体的な金額は会場条件によって幅が大きいため、通訳会社や機材会社の見積もりで確認するのが確実です。機材の内訳は同時通訳の機材一式と費用にまとめています。
AI音声翻訳で代替できるのはどんな場面ですか?
数十人規模の講演やセミナー、勉強会、ミートアップのように日常的な内容で、コストを理由に多言語対応をあきらめていた場面が向いています。一方で、医療や法律のように誤りが許されない通訳、専任チームを組む大規模カンファレンス、複数人が同時に話すパネル討論には向きません。こうした場面では人間の同時通訳を選ぶのが適切です。予算別の考え方は小規模カンファレンスを予算別に多言語化するを参考にしてください。
出典
- サイマル・インターナショナル「Interpreting rates(通訳料金)」 https://www.simul.co.jp/eng/interpreting/fees/(2026年7月時点の公開料金を参照)
- OCiETe「通訳の料金相場はどれくらい?シーン別に徹底解説」 https://ociete.jp/column/interpretation-knowledge/75(2026年7月時点で参照)
- ATGlobal「同時通訳料金の相場と費用内訳を徹底解説」 https://www.atglobal.co.jp/blog/simultaneous-interpretation-fees/(2026年7月時点で参照)