1時間の講演に通訳を頼むといくらかかるか

1時間の講演に通訳を依頼すると、実働1時間でも半日料金が適用されるのが一般的です。多くの通訳会社は2時間以上の拘束を半日扱いとし、同時通訳では原則2名を手配します。そのため総額は数万円台では収まらず、機材費を含めて十数万円規模になりやすくなります。

なぜ短時間でも料金が高くなるのか、業界の慣行を整理し、短時間イベントで使える代替手段も紹介します。

1時間の講演で通訳を頼むといくらかかるか

まず総額のイメージをつかみます。標準クラスの同時通訳を1時間だけ依頼した場合の見積もりは、おおむね次のようになります。

1時間の講演に同時通訳を依頼した場合の費用目安
項目金額目安備考
通訳者1(半日拘束)5万〜7万円台標準クラス・実働1時間でも半日料金が適用
通訳者2(半日拘束)5万〜7万円台同時通訳は原則2名体制
同時通訳機材数万円〜受信機・送信機・音響機材一式
合計目安12万〜20万円前後交通費は別途

出典: サイマル・インターナショナル公開料金[1]、OCiETe相場解説[2]。金額は税抜の目安で、会社や分野により変動します。

なぜ「1時間」なのに半日料金になるのか

通訳会社の多くは、拘束時間に応じた料金体系を組んでいます。実働が1時間でも、会場への移動や準備、終了後の対応を含めると拘束時間は2時間を超えることがほとんどです。2時間以上の拘束を半日料金とする会社が一般的です。

正午をまたぐ依頼では、1日料金が適用される会社もあります。つまり「1時間だけ話してもらう」つもりでも、料金表の基準では半日や1日の依頼として扱われるのが実情です。

通訳者を2名以上手配する理由

同時通訳は、話を聞きながら同時に訳すという負荷の高い作業です。集中力の限界から、15〜20分ほどで交代しながら進めるのが業界の慣行です。サイマル・インターナショナルの規定でも、同時通訳は3時間以内で2名、3時間を超える場合は3〜4名の手配と明記されています[1]

1時間の講演であっても、この2名体制の原則は変わりません。料金表の金額がそのまま2倍になると考えておく必要があります。

機材費も加わる

同時通訳では、防音の通訳ブース、送信機・ミキサーなどのコントロールユニット、参加者に配る受信機とイヤホンが必要になり、音響オペレーターの人件費も加わります[3]。参加者数が多いほど受信機の台数も増え、費用が上乗せされます。通訳者2名分の技術料に、この機材費が別枠で加わるのが実態です。

短時間イベントの代替手段

1時間の講演だけのために十数万円をかけるのが難しい場合、いくつか代替手段があります。

特にAI音声翻訳サービスは、短時間から課金できる料金体系のものが多く、1時間の講演1回だけの利用とも相性が良い選択肢です。

短時間の講演ならVoxFlightという選択肢

VoxFlightは、小規模な対面イベント向けのライブ翻訳サービスです。主催者がiPhoneでセッションを開始し、会場にQRコードを表示します。参加者はスマホのブラウザでQRコードを読み取り、翻訳字幕と翻訳音声を受け取れます。アプリのインストールやアカウント登録は不要です。

料金は正式提供前の予定価格で、有料購入の提供開始後、セッションパスの購入完了時にApp Storeで決済されます。購入済みパスは翻訳開始時に消費されます。1時間の講演であれば、60分プランがそのまま使えます。

VoxFlightの予定価格(1言語・2言語、正式提供前)
プラン1言語2言語内容
15分・50人¥980¥1,780最大50人
60分・50人¥3,980¥6,980最大50人
60分・100人¥5,980¥9,980最大100人

翻訳先が2言語の場合は、同じ時間・参加上限の完全な2言語パスをApp Storeで1回購入します。1言語パス購入後の追加課金ではなく、購入前に合計金額が表示されます。

VoxFlightは現在、正式提供に向けて準備中です。上記は予定価格で、ウェイトリストを受け付けています。

ただし、向いていない場面もあります。医療や法律のように誤りが許されない通訳、専任チームを組む大規模カンファレンス、複数人が同時に話し合うパネル討論には向きません。こうした場面では、十数万円かかっても人間の同時通訳を選ぶのが適切です。1時間の講演のためだけに半日料金を払うことに悩んでいた主催者にとっては、現実的な代替になります。

出典

  1. サイマル・インターナショナル「Interpreting rates(通訳料金)」 https://www.simul.co.jp/eng/interpreting/fees/(2026年7月時点の公開料金を参照)
  2. OCiETe「通訳の料金相場はどれくらい?シーン別に徹底解説」 https://ociete.jp/column/interpretation-knowledge/75(2026年7月時点で参照)
  3. ATGlobal「同時通訳料金の相場と費用内訳を徹底解説」 https://www.atglobal.co.jp/blog/simultaneous-interpretation-fees/(2026年7月時点で参照)

よくある質問

1時間だけの講演でも半日料金になりますか?

多くの通訳会社で2時間以上の拘束は半日料金となるため、実働1時間でも半日分が適用されるのが一般的です。

なぜ通訳者を2名手配する必要があるのですか?

同時通訳は集中力の消耗が大きく、15〜20分程度で交代しながら進めるのが原則だからです。1名だけでの依頼は難しい会社が多いです。

1時間の講演を安く多言語対応する方法はありますか?

逐次通訳をより短い時間で依頼する、資料を事前翻訳する、AI音声翻訳サービスを使うといった方法があります。

小規模な1時間講演にAI音声翻訳は向いていますか?

日常的な内容の講演であれば実用的な選択肢です。専門性が極めて高い内容や医療・法律関連は人間の通訳が適しています。